フラのカヒコとアウアナの違い、そしてカヒコの歴史について

フラダンスは、ハワイの伝統的なダンスとして古くから受け継がれてきています。最近では楽しむためのフラダンスの踊り方も登場してきています。今回フラダンスのなかでもカヒコと呼ばれる古典的なフラダンスについて紹介します。また、カヒコの対となるアウアナとの違いについても紹介します。

フラダンスとは

フラダンスと聞いて、何を思い浮かべますか? 多くの方がハワイや南国の踊りといったイメージを持っているかと思います。現在、フラダンスは世界で最も美しい踊りとも言われていて、ハワイだけでなく、多くの国で踊られるようになってきています

特に日本ではフラダンス教室であるハラウなども存在しています。とはいえ、フラダンスと聞いても詳しいことはわからないという人も多いと思うので、フラダンスとは何ぞや? というのを紐解いていきたいと思います。

フラダンスは、一般的にハワイの伝統的なダンスとして知られています。日本ではよく「フラダンス」と表記されることが多いので踊りのことだけを指している言葉と思われがちですが、現地では「フラ」と呼び、本来はダンスだけでなく、踊りと一緒に行われる楽器の演奏や詠唱、歌唱などの全てを含んだ総称です

そんな「フラ」には「踊る」といった意味もあるので、現地の人からすると日本で親しまれている「フラダンス」という単語はおかしな表現の仕方となっているのです。(ただし、今回はフラフラダンスを使い分けるとややこしくなるので、以後フラダンスで表記します)そして、フラダンスは、ハワイあるいはポリネシア圏の島から伝わってきたと言われています。

ポリネシア圏内の島のなかにはタヒチなどもありますが、実は、タヒチで親しまれているダンスはフラではなく、タヒチアンというフラとはまた違ったジャンルの踊りです。とはいえ、ルーツが似ているのでよくダンススクールやハラウ(フラダンス教室)などでは、フラとタヒチアンの両方ともを教えているところもあります。

現在では、国を越えて人気のあるダンスですが、フラダンスの歴史は常に人気があり、親しまれてきたというわけではありません。歴史の詳細については後ほど詳しく紹介していきますが、過去にはフラダンスが生活から消え去っていた時期があります。

そのため、実はフラダンスは、そういった過去を乗り越えたことで、世界的にも有名になり、現在でも多くの人に親しまれています。そして、日本人がハワイ好きということもあってか、そんなフラダンスの人気は日本にまで届いており、最近では、日本国内にもハラウと呼ばれるフラダンススクールがたくさん存在しています。また、人気の理由の一つには、ダイエット効果が期待できるということもあります。

フラダンスは一見緩やかで体力を使うイメージがありませんが、実は踊りのなかで腰を振ったりするので、腹筋をよく使ったり、また基本姿勢は常に膝を曲げた状態なので、下半身の筋肉も自然と鍛えられます。

そういったことからダイエットには効果があると言われています。実際、フラダンスを踊っている人を見てもスタイルがよくて、くびれがくっきりしているスタイルの人が多いです。

フラダンスの歴史

(デビッド・カラカウア王)

では、ここからフラダンスの歴史について紹介していきます。フラダンスの歴史は先史時代まで遡ります。フラダンスは、世界で最も美しいダンスとして知られていますが、その美しい滑らかな動きやゆったりとした動きは、実は楽しむために踊られていたのではなく、神様に捧げるものとして踊られていた神聖なものでした。

現在では、娯楽としての意味合いが強くなっていますが、かつては宗教的な儀式の意味合いが強かったようです。神話によると、フラダンスを踊ったのは、女神であるラカによるものだというのが起源だと言われています。そんなフラダンスは、神様に捧げるためだけにあるものではなく、歴史を継承していくうえで重要な役割を担っていました。先史時代のハワイでは、後世に伝えるための文字という概念がありませんでした。そのため、踊りの手の動きに意味を持たせ、動きには物語を構成させることで、歴史やその当時起きた出来事について後世に伝承していました。

そんなフラダンスは、もともと選ばれた男女にしか踊ることが許されていませんでした。現在は特にそういったことはありませんが、当時は若さと踊りの才能、そして容姿などを基準に数人が選ばれ、フラダンスを踊ることが許されていました。また、選ばれた男女は、フラダンスの始まりである女神ラカが祀られているという寺院に泊まり込みで、長期間の間、厳しい規律に則って特訓を受けていました。そのなかで、神聖な神様に捧げる踊りから歴史を後世に伝えるための踊りなど、たくさんの踊りを習得していきます。そして、卒業と同時に、人前で踊ることが許されるのです。

そのため、彼らの踊りこそ芸術そのもので、文化の担い手とも言えます。現在でいう人間国宝的な役割を担っていたわけです。そんなフラダンスも歴史が進むと、過去にはフラダンスが禁止されていた時期が出てきます。それは、産業革命など世界が近代化している時代に起こった出来事です。産業革命が起こり、世界が近代化へと進んでいく時期に、イギリス生まれのジェームズ・クックがハワイに上陸しました。

この時に彼は世界とハワイが交易することができるように拠点を作ったのでした。そして、そのなかで部族間での統一などが進み、一つの国へと統一さえたことでハワイ王朝が誕生しました。そして、国が誕生してからもフラは、受け継がれていましたが、アメリカから来た宣教師によって禁止されていきます。自然崇拝の精神をもつフラは、アメリカの宣教師にとって、キリスト教の脅威だと感じたことから当時のハワイ王朝の女王を通して、カメハメハ2世に禁止令を出させました。その時に禁止されたのはフラだけではなく、サーフィンや伝統文化までもが禁止とされました。

またその禁止令が出ている間に、当時のハワイで公用語として使われていたハワイ語がアルファベットに置き換えられていきました。また、アメリカ人(白人)にも土地が手に入りやすいような法案が施工されるようになり、アメリカ人の割合が増えていきました。そして、不幸中の幸いか、禁止令がでてから50年ほど経ってから当時の王様であるデイヴィット・カラカウア王によって禁止令が解かれましたフラやサーフィンなどができるようになりましたが、禁止令が解かれてから約20年弱後にアメリカ人勢力によって、当時の女王であるリリウオカラニ女王は王位を退くこととなり、ハワイ王国は終焉を迎え、ハワイはアメリカの準州となりました。

アメリカに属することとなったことで、昔からハワイに住んでいたハワイ人は行き場をなくし、ハワイ人であることを隠すことによって生活をしてきたという背景があります。しかし、そんなフラは、一部のハワイ人の間で、密かに守られいたことが、現在も多くの人に継承されている要因となっています。そのため、現在日本でも人気のあるフラダンスですが、一度は消えかけましたが、一部のハワイ人の間で受け継がれていなければ、現在のフラダンスはなかったでしょう。

そして、フラダンスが現在世界中で有名なダンスとして知られているのは、アメリカで起こった公民権運動によって、国民が人種差別のない社会を求めたことをきっかけにハワイ人がハワイ人としての自信をもつようになりました。それがハワイアンルネッサンス運動へと繋がり、またフラダンスが多くの人の間で遅られることとなった所以です。

カヒコ

(2009年度メリー・モナークでのカヒコの踊り)

では、次にカヒコについて紹介していきます。フラダンスのカヒコについてご存知ですが?

フラダンス経験者やハワイ観光へよく行っている人はご存知の方もいると思います。カヒコとは、フラダンスのなかでも古典的なフラダンスのことを指しています。

つまり、昔から踊られてきたフラダンスというわけです。そのため、先ほど述べたフラダンスの歴史はカヒコの歴史というわけです。

そんなカヒコですが、先ほども述べましたが、本来は娯楽のための踊りではなく、神や自然への信仰を起源としています。そのため、神の力や自然の力は偉大であるということを表現します。ですから、厳格な規則などがありました。

先ほども述べましたが、フラダンスは選ばれた人しか踊ることができませんでした。特に神や王に捧げる踊りをする場合は、訓練や修業をおこなった選ばれた男性にのみにしか踊ること自体許されていませんでした。そんなフラダンスも現在では女性でも踊るようになっています。しかし、女性が踊ることができるようになってからも、化粧やアクセサリーなどの制約がありました。カヒコでは目的が明確であった分、踊りや衣装の面で自由度が少なかったようです。

そんな古典的なカヒコの特両は、楽器や歌が決まっています。楽器はイプ打楽器やパフというものが使われています。またその楽器のリズムに合わせてメレという詠唱が唱えられ、それらの音に合わせて儀式が行われ、ダンスも演じられます。最近では規則もかなり緩くはなってはいますが、現在でも宗教的な行為としてカヒコをマラエに奉納するといった行為が行われることもあります。

カヒコはこういった厳格なルールのなかで踊るからこそ、実際の踊っている姿は勇敢で厳格な印象を与えてくれます。

カヒコの対となるアウアナとは

(メリー・モナーク2011でのアウアナの踊り)

では、最後にアウアナについて紹介していきます。 アウアナはカヒコの対となるフラダンスです。また多くの日本人がイメージしているフラダンスはアウアナであることが多いです。

アウアナ自体が、明確に認知されるようになったのは、ここ50年の間の話であるので、アウアナ自体の歴史はさほど古くなく、比較的新しいです。アウアナがカヒコの対であるのは、アウアナ自体がカヒコから派生して生まれたからです。そのため、カヒコは古典的なフラダンスを指すのに対し、アウアナは現代的で新しい形式を採っている自由なフラダンスです。先ほどカヒコでは決まった楽器や詠唱などを使って踊るための音を奏でますが、アウアナの場合は、ハワイアンソングなどが使用されます。

また、カヒコは宗教的な要素があり、神や自然などへの崇拝などを目的としていましたが、アウアナでは男女間の恋愛の要素を含んだ内容を踊っていたりします。また使う楽器には、みんなもフラダンスの楽器と言えば、ウクレレと思い浮かべるように、ウクレレやギターなど美しい旋律を奏でることができる楽器が使用されます。また、踊り手にも特徴があり、カヒコに比べて表情豊かに踊られる事が多いです。カヒコは厳格な規則などがあり、ダンス自体に厳格さや勇敢さなどがにじみ出ます

一方で、アウアナでは厳格なルールがないため、自由に踊りで表現することができます。また誰でも踊ることができるので、ハワイだけでなく日本や他の国でも広くひろまっています。フラダンスが世界で知られるほどまでになったのはアウアナのができ、フラダンスが大衆化したことによる要因が大きいです。

また、カヒコの衣装ではパウと呼ばれるスカート着ることが原則とされていますが、アウアナの衣装では、ムームーといってワンピーススカートを着ることもできます。また、装飾もある程度自由にすることができるので、ハワイアンジュエリーやハワイアンミュージックなど自分たちの好みによって自由にできることが、世界中での流行の要因になったのではないでしょうか。

カヒコでは選ばれた人しか踊ることができないといった厳格な規則もありましたが、アウアナでは男性だけに限らず、女性や子どもまで踊ることができます。

まとめ

今回、フラダンスのなかでもカヒコについて紹介しました。カヒコを紹介していくうえで、フラダンスの歴史についても触れました。

またカヒコの対となるアウアナについても紹介し、カヒコについてより深く理解して頂けたのではないかと思います。カヒコは、ハワイの歴史とと共に古くから踊られてきました。一度はフラダンス自体が消滅する危機にも陥りましたが、そんな困難も乗り越え、現代においてもその厳格さや勇敢さを伝えている姿は、現在でもハワイの伝統を受け継ぐ文化遺産と評してもいいかもしれません。

日本ではアウアナの方が知られていますが、これを期にアウアナではなく、本来のフラダンスであるカヒコの踊りを見てみてください。

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