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歴史1:フラダンスの起源

フラダンスの起源

フラの発祥は、ハワイで踊られていることからハワイだと思っている方も多いのではないでしょうか。実は、発祥地は明確ではなく、いくつかの説があります。

文字のない時代であったためフラの起源ははっきりと分かっていませんが、ポリネシア人が歌舞音曲であるフラをハワイに持ってきたことや、ハワイ人がマルキーズ諸島やタヒチから渡来したことは事実のようです。

ポリネシアンダンスの一部

ハワイの人々の先祖は、ポリネシア(オーストラリアや東南アジア付近の島々)の人達だと考えられています。ポリネシアの人々は新たな土地を求めて旅に出て、タヒチやモアイで有名なイースター島、ハワイにたどり着きました。

新天地に到着したポリネシア人たちは、自分たちのダンスの文化を新天地の文化や自然などと融合させ、新たなダンスを生み出していきます。このように、ポリネシアの人々が移住し、生み出したダンスを総称してポリネシアンダンスと言います。したがって、フラダンスもポリネシアンダンスの一種であると言えます。

タヒチアンダンスの発展形

また、ハワイの人々の先祖は、タヒチからやってきたという事が分かっています。昔のハワイの人々は文字を持たないため、まだ不明な点も多いですが、フラは移住してきたタヒチの人々のダンス、すなわちタヒチアンダンスと、ハワイの自然、ハワイの人々の神や神聖なものへの思いが融合して現在のフラが誕生したと考えられています。

女神フラの伝説

また、フラダンスの伝説に、女神ラカがモロカイ島のカアナで初めてフラを踊ったとするものがあります。フラの女神ともされているラカ(Laka)はモロカイ島の聖地カアナで生まれました。伝承として、火の神であるペレの怒りを鎮めるために妹のヒイアカ(Hi’iaka)が踊ったとされるダンスであるともされています。

もともとは神聖な儀式や歴史の伝承手段

現在では、娯楽としての意味合いが強くなっていますが、西洋文化とハワイが接触するのは1778年までは、宗教儀式と結びついた神聖なダンスとしてフラは地域に根づいていました。

また、神様に捧げるためだけにあるものではなく、歴史を継承していくうえで重要な役割を担っていました。先史時代のハワイでは、後世に伝えるための文字という概念がありませんでした。そのため、踊りの手の動きに意味を持たせ、動きには物語を構成させることで、歴史やその当時起きた出来事について後世に伝承していました。

フラダンスの伝承

「フラ」という呼称が使われるようになる19世紀以前は「ハアア」(Ha’a)と呼ばれていました。本来は今のような音楽ではなくて、詠唱と太鼓の音に合わせて物語性のある詠唱を動きで表現するといったものが主流だったようです。また、昔は選ばれた男性だけが踊っていた時期もあったようです。

その後もフラを踊るためには資格が必要で、まず「クム・フラ」と呼ばれるフラの先生に選び出されることが必須の条件でした。若さ、踊りの才能、容姿を基準に数人がクム・フラによって選び出されます。選出された若者達は女神ラカを祀る寺院に住み込み、長期にわたって特訓を受け、厳格な規律に則って生活を送ります。踊り子の候補生達はハワイの歴史についての踊りや神を讃える踊りなどのいくつもの踊りを習得した後、卒業式を終えてはじめて人前でフラを踊ることが許されるという伝統でした。そのため、彼らの踊りこそ芸術そのもので、文化の担い手とも言えます。現在でいう人間国宝的な役割を担っていたわけです。

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