「カヒコ」とは、ハワイ語で「古代の、古い」という意味で、昔からあるフラで神や自然への信仰を伝える宗教的意味合いが強いものです。そのため、カヒコで使われる詩歌にはハワイの歴史や文化、神や王、大地や自然への詩が多くあります。
フラ・カヒコは宗教的な踊りでもあり、マラエ(祭壇)で神様へ奉納することもあります。現在では女の人の姿を見かけることが一般的となっていますが、本来は選ばれた男性にしか踊ることが許されていないダンスでした。その後女性も踊ることが許されるようになりましたが、化粧やアクセサリーといった制限もあり、アウアナに比べるとシンプルな衣装になっています。
フラ・カヒコの音楽
フラ・カヒコの音楽では、イプと呼ばれる打楽器とパフと呼ばれる楽器がメインとなります。パフとイプを打ち鳴らしながら、メレと呼ばれる詠唱が唱えられる中で数十人の踊り子がダンスを踊ります。神や王に捧げられていた踊りというだけあって、荘厳で厳粛な印象を受けます。
メレ
そしてフラダンスに欠かせないのがメレという歌が必須です。メレの意味は詩や歌、チャント(詠唱)となり種類も豊富にあります。対象や内容に応じたメレと歌い方にも数種類あります。
フラ・カヒコの衣装
フラ・カヒコは自然や神を礼拝し詠唱しながら踊るという宗教の要素を多く含んだ神聖なフラです。カヒコを踊るときは化粧したり、アクセサリーを身に着けたりすることをしません。
女性の衣装であっても無地が多く、女タパを使ったものを腰に巻きつけ、男性はタパをふんどしのように着て踊ります。カヒコでは踊る際は貴金属などの装飾品は全て身に着けてはいけないことになっています。その他にもティーリーフスカートという物を身にまといます。
ティーはハワイで身近に生えている細長い葉っぱの植物で、これらは自分で作ることを基本としています。マナと呼ばれる霊の力を引き出すために、自身の手で作ることを大切にする考えがあります。レイクペエ(Lei Kupee)と呼ばれるアクセサリーにはシダの葉を使うことが多く、原則として手足と同じものを身につけるという決まりがあります。